ストレスや冷え性に有効だといわれているカボスの香り。
カボスの香りにはどうしてそのような効果があるのでしょうか。
成分と効能をもう少し詳しく見てみましょう。
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メインはDリモネンとβミルセン!揮発しやすい即効性の香り
上の表は、カボスの香りを形作っている成分がどれくらいの割合で含まれているかを示したものです。
Dリモネンとβミルセンだけで全体の約95%を占めている事が分かりますね。
どうやら香りの効能はこの2種類がメインとなって働いているようです。
ちなみに表の左の列は分子構造の違いによる分類を表していて、その種類によって揮発性の高さ(蒸発しやすさ)や香りの強さが変わってきます。
主成分であるモノテルペン炭化水素類は、揮発性が高く、酸化しやすい成分なので、その香りはさっと香ってすぐ無くなるのが特徴です。
それでは、主な成分の特徴を1つ1つ見ていきましょう。
Dリモネン
Dリモネンはみかんやレモンにも入っている、柑橘系の香りの代表格です。
香り成分の7割以上をこのDリモネンが占めています。
心を鎮めてストレスを抑えるほか、血行促進、消化の促進、抗菌作用、育毛効果など、柑橘類が良いとされている理由は大体このリモネンのおかげです。
また、油を溶かす性質があるため、抗菌作用とも合わさって、洗剤としても人気があります。
ただし、ゴムやポリスチレンを溶かしてしまうので、掃除に使うときは注意が必要です。
βミルセン
βミルセンは刺激的な強い風味のある香り成分です。
月桂樹やヨモギにも含まれています。
リラックス作用があるほか、抗酸化作用で体の細胞を元気に保ってくれます。
γテルピネン
γテルピネンはタイムなどに含まれていて、香り自体はとても弱いです。
菌やウイルスの感染を抑えたり、炎症を抑えたりするほか、細胞の再生力を高めてくれます。
傷に強いといえる成分です。
αピネン
αピネンは松などの針葉樹に多く含まれていて、独特の香りがする成分です。
体の免疫力を高める効果があり、風邪の予防に役立ちます。
デカナール
アルデヒド類に分類されるデカナールは、脂肪臭を伴う柑橘の香りといわれています。
入っている割合は1%未満とわずかですが、柑橘系の香りを形作る重要な成分です。
まとめ
カボスに含まれている主な香り成分について見てきました。
ストレスや冷え性の解消は、主成分であるDリモネンとβミルセンによるものだということが分かりましたね。
他にも、傷に強くなるγテルピネンや、免疫力を高めるαピネンなど、カボスには健康な体を作るのに役立つ成分が詰まっています。
これらの香り成分は皮からとれる精油(エッセンシャルオイル)に含まれているので、すぐに捨てたりせず、うまく活用しましょう。
ちなみに、テレビなどでよく見る「ミカンの皮の便利な使い方」は、ほとんどがDリモネンのおかげです。
カボスにもたくさん含まれているので、ミカンの皮で出来ることはカボスの皮でも大体できます。試してみてくださいね。