大分県の魚と言えば、何を思い浮かべますか?
関アジ・関サバや城下カレイが有名どころではありますが、平成22年より新たなブランド魚が仲間に加わりました。
それが、カボスブリとカボスヒラメです。
カボスを餌に混ぜて育てられたカボスブリとカボスヒラメは、「味よし、香りよし、見た目よし」といわれ、その味は天然ものに引けを取りません。
今回は、そんなカボスブリとカボスヒラメの美味しさの秘密にせまります。
このページの目次
カボス餌で鮮度を保つ!臭み消し効果も
カボスにはビタミンCやクエン酸、リモネンにポリフェノールなど、体に良い成分がたくさん詰まっていますよね。
じゃあ、養殖している魚の餌にカボスを混ぜれば、より健康で質の良い魚に育つんじゃないか?
ということで生まれたのが、カボスブリとカボスヒラメです。
その特徴は、脂がさっぱりしていて臭みが無く、鮮度が長く保つこと!
「味よし、香りよし、見た目よし」と言われるその理由を見ていきましょう。
「味よし」さっぱりとした脂
ブリやヒラメのえんがわといえば、かなり脂っぽいイメージがありますよね。
脂の乗った旬のものだと付けた醤油に脂が浮いちゃうほど。
カボスブリとカボスヒラメなら、カボスの成分が脂を分解してくれるので、味がしつこくなくさっぱりとしています。
脂がしっかりと乗った身を、いくらでも美味しく食べる事ができますよ。
「香りよし」リモネンで臭みを取る
養殖ものは臭みが強くて苦手・・・という方もいるのではないでしょうか。
この臭みの原因は、与えている餌の臭いが魚の身に移ってしまうから。
しかしカボスを食べて育ったカボスブリとカボスヒラメにはこの臭みがほとんどありません。
研究機関の分析によると、カボスヒラメのえんがわや肝臓からカボスの香り成分であるリモネンが検出されたそうです。
カボスの香りがしっかりと身に移ったことで、臭みを少なくしているんですね。
「見た目よし」抗酸化作用で変色を防ぐ
一般的にブリは血合いが変色するまでの時間が短く、見た目が悪くなりやすい魚です。
スーパーで売られる切り身などは、見た目が悪くなると商品価値が下がって売れなくなるという問題を抱えていました。
ところがこのカボスブリなら、ビタミンCやポリフェノールによる抗酸化作用によって血合いの酸化を防ぎ、変色を遅らせることができます。
大分県農林水産研究指導センター水産研究部によれば、血合いの変色を最大40時間も遅らせることができたそうです。
やっぱり手に取るなら、見た目が良くて新鮮なものを選びたいですよね。
大分は養殖漁業トップクラス!
大分県は、養殖ブリの生産量全国3位、養殖ヒラメの生産量全国1位という実績を誇る養殖大国です。
特に県南部の臼杵市・津久見市・佐伯市では、リアス式海岸と豊後水道という恵まれた環境に支えられ、身の引き締まった良質な魚が水揚げされます。
また、安全面の体制も整備されていて、海外産の安さに負けない価値を作り出しています。
カボスブリとカボスヒラメは、大分県のトップ産業が手を組んで生まれた、新しい名産品なのです。
カボスヒラマサが新たに登場!
2018年4月27日より、新たなカボス魚シリーズ「カボスヒラマサ」の試験出荷が始まりました。
ヒラマサはブリに似た夏の魚で、適度な歯ごたえとさっぱりした味わいが特徴です。
冬のブリ、春のヒラメにつづいて、夏でもカボスの魚が食べられるようになったということですね。
そんなヒラマサの養殖も大分県はトップクラス!
元は価格や量が不安定な天然種苗(稚魚)を使っていましたが、大分県漁業公社が人工種苗を育成し、供給し始めた事で漁獲量が安定した、という背景があります。
天然ヒラマサの漁獲量は少ないため、その影響に左右されず価格が安定しているのも特徴です。
あまり馴染みがないヒラマサという魚ですが、その美味しさは本物。
夏の大分に来たならば、一度は食べておきたい一品です。
まとめ
カボスを食べて育った大分の新名物、カボスブリとカボスヒラメ、そしてカボスヒラマサを紹介しました。
食べる時は是非お刺身で。身のぷりぷりとした弾力とさっぱりとした脂を一番良く味わえます。
脂が多すぎる魚は苦手、養殖ものは臭くて嫌だ、という方こそ一度試してみてください。
食べ比べてみれば、カボスで育った魚かそうでないかが一発で分かりますよ。