カボスの木

カボスはどこからやってきて、どうして大分に根付いたのでしょう?

やってきた当時の元祖木は、今も存在しているのでしょうか?

今回は、カボスの歴史の中でも最初の部分。伝来について見ていきましょう!


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薬として根付いた最初のカボス

カボスが大分にやって来たのは、江戸時代の元禄8年(1695年)のこと。
宗源という医師が、京都から苗木を持ち帰り、植え付けたのが始まりと言われています。

クエン酸やビタミンCが豊富なカボスは、当時は風邪の予防薬、整腸剤、アカギレの薬など、薬用として使用されていました。

そんなカボスは主に民家の庭に植えられ、臼杵・竹田地方を中心に、大分各地へと広まっていきます。

大分の気候に合っていたカボス

大分は太平洋に面しているため、黒潮のおかげで暖かく、降水量が多い地域です。

カボスの実が育つ6月~9月にたっぷりと雨が降ります。

また、1年の平均気温は14~16℃であり、カボスが大好きな暖かさです。

さらに、カボスは比較的寒さに強く、竹田などの、寒暖差が激しい山間部でも、元気に育つことが出来ます。

薬のなる木が簡単に育つのですから、大分で愛されたのも納得ですね。

臼杵市乙見に今も残る元祖木2世

1976年3月、とある民家の庭先にあったカボスの木が、元祖木であると認められました。

江戸時代に植えられたその元祖木は、樹齢300年以上といわれ、高さ4m、横幅5m、幹は1周94cmもある、とても大きなものでした。

県の特別保護樹木に指定されていましたが、残念ながら枯れてしまい、1987年6月に指定が解除されています。

しかしこの元祖木、挿し木によって生まれた元祖木2世が、今もまだ臼杵市乙見地区に残っているんです。

300年たった今でも、カボスのルーツ、それも現物に触れることが出来るというのは、とても感動的な事に思えますね。

つづき:産業になるまで⇒


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