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料理にまろやかな酸味を加え、クエン酸などの栄養も豊富なカボス。
毎日使うほど大好きなら、いっそのこと苗木を自分で育ててみましょう!
愛情をもってしっかりとお世話をすれば、買ったものにも引けを取らない立派な実を、毎年収穫することができるようになりますよ。
このページでは、「これからカボスの木を買って自宅で育ててみよう」という方に向けて、カボスの木を育てるための下準備や必要な道具、苗木の選び方からお世話の年間スケジュールまで、一通りをまるっと紹介します。
このページの目次
カボスの育て方 初めてでも立派に実らせるために
カボスの育成は手間がかかるが難しくは無い
カボスの木を育てることは難しいように感じるかもしれませんが、木を育てること自体はそれほど難しくはありません。
カボスは病害虫に強く、枝の伸びる勢いも強いため、3m位まではグングン成長します。
ただし、果汁たっぷりの美味しい実を付けてもらうためには、植えっぱなしではなく、それ相応の手間をかけなければなりません。
日の光が当たるように枝を剪定したり、栄養を与えるために肥料を施したり、病害虫から守るために見回りをしたりとやることはたくさんあります。
大切なのは、果樹も生き物であるという事を忘れないこと。
身だしなみを整え(剪定)、ご飯(肥料)を与え、病気やけが(病害虫)から守ってやれば、カボスの木もしっかりと応えて立派な実を付けてくれます。
大事な子供やかわいいペットと同じように、愛情を持って接してあげましょう。
カボスの木を育てるための5ステップ
これからカボスの木を買って育てるまでの流れを、以下の5ステップに分けて紹介します。
- カボスの木の特徴を知る
- 育てるための準備をする
- カボスの苗木を選んで購入する
- カボスの苗木を植える
- 年間スケジュールを組んでお世話をする
まずはしっかりとカボスの木の特徴を知り、苦手な環境を作らないようにあらかじめ学んでおきましょう。
その後、必要なものを準備して苗木を購入し、その苗木を庭植えか鉢植えかを選んで植え付けます。
あとは年間スケジュールを組んで水やりや剪定、施肥などのお世話をしていく、という流れです。
植え付けた後の具体的な育て方はステップ5からになっていますので、既に苗木を買って植えているという方はステップ5から読んでもOKです。
それではステップ1からカボスの木の育て方を見ていきましょう。
ステップ1.カボスの木の特徴を知る
カボスを育てる上で知っておきたい特徴は次の5つです。
- 寒さに弱い
- 刺がある
- 受粉樹はいらない
- 隔年結果しやすい
- 弱酸性の土を好む
寒さに弱い
柑橘類全般に当てはまりますが、カボスは寒さに弱い果樹です。
そのため冬に格段に寒くなる地域では、庭植えをせず鉢に植え、冬は室内に取り込むといった対策をする必要があります。
また、強い寒風も苦手なので、暖かい地域でも冬は冷たい風が当たらない場所で育てるようにしましょう。
刺がある
カボスの枝には刺が生えています。
これが結構鋭く、軍手程度ではやすやすと貫いてくるのでやっかいです。
また、枝が揺れたときに葉や実を傷つける原因にもなるので、見つけたら剪定バサミで取り除いてしまいましょう。
切ってしまっても生育に問題は無く、先に取り除いておくと収穫や剪定の時に邪魔になりません。
受粉樹はいらない
カボスは1つの花の中に雄しべと雌しべの両方があるので、1本だけで受粉し、実を付けることができます。
つまり受粉用に別の木をもう1本用意する必要はありません。
一方、異なる品種の木が近くにあると実付きが良くなるといったメリットもあるので、余裕が出てきたら2本目に挑戦してみるもの良いでしょう。
隔年結果しやすい
カボスには、不作の年と豊作の年を交互に繰り返す性質があります。(隔年結果)
そのため、今年が不作だったからといって不安になることはありません。
その分翌年にはたくさんの実を付けることになります。
また、7月頃の摘果をしっかりやっておくと、隔年結果をある程度抑えることができます。
弱酸性の土を好む
果樹にはそれぞれに適した土壌の酸度(pH)があります。
酸度とは酸性・アルカリ性の強さのことで、中性の7を真ん中として数字が小さいほど酸性が、数字が大きいほどアルカリ性が強くなります。
酸性やアルカリ性が強すぎると、根っこの生育不良や実付きの悪さを引き起こすことになるため、土壌の酸度を調整することは大切です。
カボスはpH5.5~6の弱酸性の土壌を好みます。
市販の酸度計などで調べて、pHが4など酸性が強すぎる場合は、最初の土作りの時に石灰などを混ぜて酸度を調整しておきましょう。
差すタイプの酸度計なら、土に直接ブスッと差し込んで1時間ほどほっとくだけで酸度を測定できる上に、電池もいらないので簡単ですよ。
ステップ2.育てるための準備をする
カボスの木の特徴を学んだら、迎え入れるための準備を始めましょう。
苗木の植え付けは、木が休眠していてなおかつ寒さが緩んできた3月頃がベストです。
なのでその時期に向けて徐々に準備を整えていくと、スムーズに植え付けることができます。
まずは自分が住んでる地域でカボスを育てられるかどうかを確かめ、その後に必要な道具を買いそろえて行きましょう。
住んでる地域の最低気温を調べる
カボスの耐寒温度ー6℃を下回る日が長く続く地域では、庭植えすることができません。
その場合は鉢植えにして、冬場は室内に取り込むようにしましょう。
住んでる地域の最低気温は、気象庁が公開しているデータで調べることができます。
庭植えにするか鉢植えにするかを決める
住んでる地域が寒くないのなら、次に庭植えにするか鉢植えにするかを決めましょう。
庭植えと鉢植えのどちらにも、それぞれ長所と短所があります。
自分のライフスタイルと照らし合わせて決めると良いでしょう。
庭植え |
|
---|---|
長所 |
●大きく育ち、たくさん実る ●水やりがほぼ必要無い |
短所 |
●場所を取るし動かせない ●初収穫までが長い |
鉢植え |
|
---|---|
長所 |
●コンパクトに育てられる ●初収穫までが短い ●移動ができる |
短所 |
●水やりに気を使う ●3年ごとに植え替えが必要 |
必要な道具を準備する
気温を調べて庭植えにするか鉢植えにするかを決めたら、次に必要な道具をそろえていきます。
まずは剪定バサミやジョウロなどの必須アイテムを先にそろえ、ある程度育成に慣れてきたら、いろんな便利アイテムを試してみると良いでしょう。
剪定バサミ |
枝や根っこ、果実などを切るときに使う |
ジョウロ |
水やりのときに使う |
ガーデングローブ |
土の汚れや刺などから手を守る |
園芸シャベル(庭植え) |
植え付けの時に土を掘り返す |
堆肥・腐葉土(庭植え) |
土壌改良の時に庭の土に混ぜる |
移植ゴテ(鉢植え) |
鉢に培養土を入れるときに使う |
植木鉢(鉢植え) |
鉢植えで苗木を植え付ける |
果樹用培養土(鉢植え) |
鉢植え用のため、運びやすいように軽く、水はけが良い |
鉢底石(鉢植え) |
鉢の底に敷き、土の水はけや通気性を良くする |
癒合促進剤 |
枝や根っこを切った後の切り口に塗る |
癒合促進剤は枝や根っこを切ったときに塗るお薬です。
切り口から枯れ込みや病原菌が入ると育ちが悪くなるので、特に直径2cm以上の太い枝を切った時には必ず塗るようにします。
また、最初は必要ありませんが、枝が太くなって剪定バサミで切れなくなってきたら、剪定ノコギリや両手で使う大きな剪定バサミを買い足すと良いでしょう。
【庭植え】土作りをする
庭植えをする場合、植え付けの2週間ほど前に庭の土の土壌改良をしておきます。
一度植えるとそうそう植え直すことはないので、最初の土作りはとても大切です。
ふかふかと柔らかくて水はけ・水持ちが良く、酸度がカボスが好む弱酸性である、そんな良い土を目指しましょう。
まず最初に、今後根っこが伸びていくことも考えて、直径70cm、深さ50cm位まで深く土を掘り返します。
次に、掘り返した土に堆肥や腐葉土などの有機物を一袋(16~18ℓ)入れて良く混ぜ込みます。
最後に、必要な場合は石灰やピートモスなどを混ぜて酸度を調整し、穴に埋め戻したら完了です。
ステップ3.カボスの苗木を選んで購入する
準備ができたらいよいよカボスの苗木を購入しましょう!
園芸店やホームセンターで苗木を直接見て選べるなら、ポイントをおさえてなるべく状態の良い苗木を選びます。
そうでない場合はネット通販になりますが、信頼できるショップを調べてから買うことも大切です。
苗木選びのポイント
直接見て買う場合、苗木選びのポイントは以下の4つです。
- 葉の色が濃い
- 病害虫の被害が無い
- 枝の伸びに勢いがある
- 根元がぐらついていない
また、苗木には棒苗と大苗の2種類があります。
棒苗は1~2年目の若い苗木で、1本の棒状の枝が伸びてるだけです。
値段が安く、好きな形に仕立てやすいですが、収穫までに3年以上かかります。
大苗は3年目以上の苗木でたくさん枝分かれしており、中には既に実を付けているものもあります。
値段は高いですが、既にある程度形ができているので最初の仕立てに苦労しません。
何よりすぐに収穫ができるので、初心者には大苗がおすすめです。
苗木はネットでも購入できる
近くのホームセンターなどで実物を見ながら買えるならそれが一番ですが、近くに売っていない場合はネットでも苗木を買うことができます。
ネットで買えば、かさばる上に重たい苗木や土を持って帰る必要がないので、車を持ってない人にはとってもありがたいです。
また、種なしカボスなどの希少な品種を選んで買うこともできます。
中でもおすすめのショップは苗木部by花ひろばオンライン。
お値段はちょっと高めですがその分苗木の品質が良く、果樹鉢植え栽培セットや柑橘類向けの土と肥料など、初心者にありがたい商品もそろっています。
なにより特徴的なのが購入後のサポートの厚さ!
「苗木部」という名前の通り、まるで部活動のように横のつながりが強く、店員と客、または客同士でもメールやSNSなどを通して質問し、その内容を共有し合う事ができます。
店員を「マネージャー」、客を「部員」と呼んでいるところも親しみやすいポイント。
苗木仲間を作ってつながりを広げたい方には特におすすめのショップですよ。
ステップ4.カボスの苗木を植える
苗木を購入したら、さっそく植え付けましょう。
植え付けに最適な3月を過ぎてしまっても、6月までなら植え付けは可能です。
さらに時期がずれてしまった場合は、植え付けすると根が傷むことがあるので、ポットのまま水やりをして育て、3月まで待ちましょう。
苗木の根元がこぶ状になっており、そこにつぎ木テープが巻かれている場合は、先にはがしておきます。
庭への植え付け
あらかじめ土作りをしておいた場所に植え付け用の穴を開け、苗木の根っこをほぐしたら、根元と土の高さが同じになるように高さを調整して埋め直します。
このとき、太い根っこの先を少しだけ切り詰めておくと、新しい根っこの伸びがうながされて、元気に育ちます。
また、土を埋め直すときはこぶ状のつぎ木部分が土の中に埋もれないようにしましょう。
植え付けが終わったら、水をたっぷりと与えます。
鉢への植え付け
鉢植えの場合、まずは鉢の底に鉢底石を3cmほど敷き、その上に果樹用の培養土を少し入れます。
その上に根っこをほぐして少し切り詰めた苗木を置き、鉢の上から3cm位に根元が来るように高さを調整して残りの培養土を被せます。
庭植えと同じく、こぶ状のつぎ木部が土に埋もれないようにしましょう。
植え付けが終わったら、水をたっぷりと与えます。
植えたら最初の剪定をする
植え付けをして水やりが終わっても、まだ完成ではありません。
今後の成長を促進させるために、最初の剪定を行います。
そうすると地上に出ている枝よりも根っこの方が多くなるため、残った枝や芽にたくさんの栄養が送られ、元気に育つようになります。
1~2年生の棒苗を植えた場合は、根元から30~40cmのところにある芽のすぐ上でばっさりと斜めに切り落としましょう。
真上に伸びる幹を切っておくことで、自然と横に広がって行き、日の光がまんべんなく当たる形(開心自然形仕立て)に仕上がります。
3年生以上の大苗を植えた場合は、大本の幹から生えている枝の内、骨格となるメインの枝を3~4本決め、それ以外を切り落とします。
その後、混み合っている枝を切って日当たりと風通しを良くし、長い枝の先を少し切り詰めたら完成です。
いきなりばっさりと切るのは勇気がいりますが、木の生きる力を信じて、思い切りよく切ってあげましょう。
ステップ5.年間スケジュールを組んでお世話をする
植え付けまでが終わったら一段落です。今後は1年のサイクルに沿ってお世話をしていきます。
項目ごとのポイントを抑えて、初収穫を目指しましょう。
水やり:夏場は乾燥しないようにたっぷりと
庭植えの場合、土の中に水分が保たれていますし、水を求めて根っこを自由に伸ばすことができるので、基本的に水やりの必要はありません。
雨だけに任せても大丈夫です。
ただし、夏の暑い時期に雨が降らない日が続き、土が乾いているようならたっぷりと水を与えましょう。
根っこは枝の真下あたりまで伸びているので、根元では無く、枝が伸びている範囲内全てに水をまくのがポイントです。
一方、鉢植えの場合は水やりに気をつけてあげる必要があります。
鉢は水を蓄えておける量が限られているので、とても乾きやすく、水不足になりやすいです。
春と秋は2~3日に1回、夏は毎日、冬は一週間に1回を目安にして、土が乾く度に水をたっぷりと与えましょう。
水の量は、鉢の底から水が落ちてくるくらいまでたっぷりと与えます。
木は根っこの先端から水を吸うので、こちらも根元では無く、土の全面に水をかけるのがポイントです。
関連記事↓
正しい水やりで鉢植えカボスを育てよう!注意したい3つのポイント
剪定:根元からばっさり切って日光と風通しを確保
剪定の目的には、木の形を整える、日当たりや風通しを良くする、根っこにかかる負担を減らす、病害虫を防ぐなどがあります。
カボスの木は枝の伸びる勢いが強いので、ギチギチに生い茂った状態を避けるためには、剪定がとても大切です。
剪定に適した時期や切るべき枝の特徴を順番に見ていきましょう。
カボスの木の剪定時期
木の活動が活発な時期に剪定をすると、切った枝の脇から不必要な枝がどんどん伸びてきたり、切り口が中々ふさがらなかったりと、良くない効果を現すことがあります。
また、カボスの木は寒さに弱いので、本格的な剪定は木が休眠をしていて、なおかつ寒さが緩んできた、2月下旬~3月に行うのが最適です。
剪定その1 枝の広がりを抑える
植え付けたときの最初の剪定で、メインとなる3~4本の主枝が自然に開いた形(開心自然形仕立て)の基礎ができているはずです。
まずはその主枝から伸びている枝の中から、上や横に伸びすぎているものを選び、枝分かれしている根元から切り落とします。
特に上に伸びている枝を優先的に落とし、全体の高さを1.5m程度に抑えるように仕立てて行くと、他の作業や収穫がすごく楽になりますよ。
剪定その2 不要な枝を取り除く
全体的な大きさが整ったら、次にいらない枝を取り除いて日当たりと風通しを良くします。
交差している枝、内側に伸びた枝、下向きの枝、真上に長く伸びている枝など、混み合っている枝を切り落としていき、全ての枝にまんべんなく日が当たるようにしてあげましょう。
ここまででざっと全体の2割程度の枝を落としていればOKです。
一度に切り過ぎても木を弱らせてしまうので、既に木が大きくなっている場合は、数年に分けてすこしずつ輪郭を小さくしていくようにしましょう。
剪定その3 長い枝の先端を切り詰める
最後に残った枝の中でも長いものを選び、先端を1/3~1/4程度切り詰めます。
こうすることで切った部分の脇から新しい芽が出るのをうながしてあげることができます。
ここで注意しないといけないのが、全部の枝を切り詰めてはいけないということ。
カボスは枝の先端に花を付け、実がなります。
そのため全ての枝の先端を切り詰めてしまうと、せっかく付いていた花芽を落としてしまうことになるのです。
切り詰める枝は25cm以上の長い枝だけにして、短い枝には手を付けないようにすると、花芽をうまく残す事ができますよ。
関連記事↓
カボスの花が咲かない!花芽を付けるために試したい3つの対策
施肥:年に4回、根元を避けて均一にばらまく
肥料は木が休眠から目覚める2月、花が終わり実を付け始める6月、収穫期を迎える9月、収穫後の11月の計4回にわたって施します。
木は栄養を根っこの先端から吸収するので、施すときは根元を避けて土の全面に均一にばらまきましょう。
水やりの時に溶けて一緒に吸収されるので、土に混ぜ込む必要はありません。
肥料は3大要素のチッ素・リン酸・カリウムの他、マグネシウムやカルシウムなどの微量要素が含まれており、土のふかふか具合なども改善してくれるものが望ましいです。
木が若い内は枝葉を育てるチッ素や根っこを育てるカリウムが多い肥料を使い、ある程度育って実を付けるようになったら、リン酸が多い肥料で花や実の成長を助けると良いでしょう。
摘果:葉果比を参考にして残す実を決める
7月下旬になり実の形ができてきたら、小さな実や傷付きの実、偏った形の実を間引いていきます。
こうすることで残った実に栄養が集中して大きな実になる上に、無駄な栄養を使わない事で豊作と不作を繰り返す性質(隔年結果)をいくらか抑えることができます。
残す実の数の目安としては、1個の実に対する葉っぱの数(葉果比)を参考にすると良いでしょう。
カボスの場合は1個の実に対して葉っぱが25枚になるように実を摘果していきます。
あくまでも目安なので、数え切れない場合はおおざっぱでも大丈夫です。
途中で自然落下する実もあるので、7月下旬から9月の収穫に向けて、少しずつ間引いて優秀な実を残しましょう。
収穫:予措をして長持ちする実に
お盆が過ぎたらいよいよ収穫の時期です。
収穫するときは、片手で実を持ちながら軸を少し長めに残して切り、切り離したら今度は実のギリギリのところで軸をもう一度切り落とします。
軸を長く残したままだと、かごに入れた時に実に傷が付いてしまうので、軸はちゃんと切り落としましょう。
収穫したばかりのカボスには水分が多く含まれているため、長期保存には向いていません。
そこで、風通しの良い場所に新聞紙を敷いてその上にカボスを並べ、室温で1週間ほど乾燥させます(予措)。
保存するときは1個ずつポリ袋に入れて冷蔵庫に入れておくと、変色を遅らせてより長く楽しめるようになりますよ。
ちなみに、カボスは収穫を遅らせて実が黄色くなるほど、酸味が抜けて味がまろやかになり、果汁も多くなります。
香りを楽しみたいなら8月下旬~9月、果汁を味わいたいなら10月~11月というように分けて収穫するのもおすすめです。
病害虫対策:相手を見定めて適切な処理を
カボスは病害虫に強い丈夫な木なので、そうそう枯れることはありませんが、知識を持っておくことはとても大切です。
発生が少ない場合は、ブラシでこすり落としたり、悪くなった葉や実を切り落とすだけでも効果があります。
薬剤を使用する場合は、まずはその病害虫が何なのか特定し、次にラベルをよく見てその病害虫に効果があるか、必ずチェックしましょう。
また、日当たりと風通しを良くしてあげると病害虫の予防になります。
人間の場合でも早期発見が大切なように、たびたび様子を見て、問題が無いかよく観察してあげることが大切です。
【鉢植え】植え替え:3年に1回植え替えて根詰まりを防ぐ
鉢植えの場合、根詰まりを防ぐために2~3年に1回、植え替えをしてあげる必要があります。
鉢植えの底から根っこが飛び出ていたり、水をやってもなかなか水がしみ込んでいかなくなったら植え替えの合図です。
木が弱らないように、植え付けと同じく寒さが緩んできた3月に植え替えると良いでしょう。
鉢植えを倒して中身を引き抜いたら、まずは土のそこから3cmくらいをノコギリで切り落とします。
続いて側面の土も3cmずつくらいそぎ落とし、土がひと回り小さくなったら、同じ鉢の中に鉢底石と培養土を入れ、木を同じように埋め戻したら完成です。
最後にたっぷりと水を与えましょう。
もし鉢をひと回り大きくする場合は、周りの土をそぎ落とす必要はありません。
太い根っこの先端を軽く切り詰め、ひと回り大きな鉢に鉢底石、培養土、カボスの木を移してあげればOKです。
根詰まりを起こすと水が土に染込まないので結果として水不足になり、葉が黄色く変色する、新芽の伸びが悪くなるなどの悪影響をおよぼしてしまうので、植え替えのサインを見逃さず、忘れずに植え替えてあげましょう。
まとめ 手間暇かけて立派なカボスを実らせよう
カボスの木を買うまでの準備と買ってからの育て方をざっくりと紹介させていただきました。
- カボスの木の特徴を知る
- 育てるための準備をする
- カボスの苗木を選んで購入する
- カボスの苗木を植える
- 年間スケジュールを組んでお世話をする
他にも果樹の育成に役立つ知識や便利な道具はたくさんあるので、本格的に育てたい方はいろいろな本やネットで調べてみてください。
「カボスの木の育て方」とピンポイントで探すとうまく見つからないかもしれませんが、カボスは柑橘類なので、「柑橘類の育て方」でもほとんど代用が可能です。
果樹栽培の基本をおさえておくと、困ったときに対処方法がある程度分かるようになるので便利ですよ。
カボスの木も生き物であるということを忘れず、たくさんお世話をして、美味しい実を収穫しましょう!