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剪定の中でも切って大丈夫なのか特に不安になるのが、幹から直接はえている太い枝(主枝)です。
毎年剪定して主枝の数を管理していれば、そんなに太い枝を切ることはそうそうないでしょう。
しかし、ずっと放っておいて大きく育ってしまった木を剪定するときには、主枝にもノコギリを入れることがあります。
そんな時に気を付けたいのが、ブランチカラーと呼ばれる膨らんだ部分です。
ここに気を付けないと、切り口から病気の元が入り込んで、木を枯らせてしまうことになりかねません。
今回は、ブランチカラーの役割と、ブランチカラーを活かした正しい剪定のやり方を紹介します。
ブランチカラーを残して枝を切るべし
ブランチカラーとは、幹と枝の境目にできる、枝の付け根の膨らんだ部分のことです。
このブランチカラーには栄養が詰まっていて、枝を切ると、切り口を周りから包み込むようにふさいでくれます。
そのため、太い枝を切るときは下の図のBのように、ブランチカラーを残して切るのが最適な剪定方法です。
見た目を重視するとAで切りたくなる所ですが、ここで切ると切り口をいつまでもふさぐことができず、腐食の原因となる菌が幹に入り込んでしまいます。
また、Cで切ってもブランチカラーの手が切り口まで届かず、同じように切り口が開きっぱなしになってしまいます。
枝を切るときは、必ずブランチカラーを残して切り、切り口を素早くふさげるようにしてあげましょう。
幹の中の保護帯が腐食の進行を防ぐ
ところで、枝が枯れても幹本体が一緒に枯れてしまわないのはなぜでしょうか?
それは、枝の付け根の内部に、保護帯という枯れ込みや菌を防ぐ壁があるからです。
実は、幹と枝はそれぞれ別の細胞群でできています。
枝が生え始めると、幹の細胞が枝の細胞を包み込んでブランチカラーを作ります。
つまりブランチカラーは枝の一部ではなく、幹の一部だということになります。
そしてこの時に、枝からの枯れ込みや菌を防ぐ保護帯が枝と幹の境に作られます。
保護帯があるので、一本の枝が病気になったり枯れたりしても、幹にまでダメージがいくことはそうありません。
しかし、ブランチカラーを切ってしまうと、幹を直接傷付けることになるだけでなく、保護帯を取り去って幹に枯れ込みや菌を入りやすくしてしまうのです。
何度も言いますが、枝を切るときはブランチカラーを傷付けないように気を付けて切りましょう。
切り口を病気から守る癒合促進剤
上手くブランチカラーを残して切る事ができ、自然に切り口をふさぐことが出来るといっても、木のスピードでは切り口をふさぐまでに時間がかかります。
保護帯が守ってくれるとしても、切り口が開きっぱなしでは菌も入り放題です。
そんなときは、癒合促進剤を塗って切り口をふさいであげましょう。
癒合促進剤を塗る事で切り口を覆う事ができ、さらにその名のとおり、ブランチカラーが切り口をふさぐまでの時間を早めてくれます。
特に切り口が大きいときはそれだけ菌も侵入しやすいということなので、直径2cm以上の切り口には必ず塗るようにしてあげると効果的です。
定番の癒合促進剤「トップジンMペースト」
癒合促進剤の中でも定番の品が「トップジンMペースト」です。
保護効果の他に殺菌効果も明示されている優秀な品で、昔から広く愛用されています。
薬剤なので使用する際にはマスク、手袋、長袖、長ズボンを着用し、使い終わったら必ず手洗いをするように心がけましょう。
まとめ
太い枝を剪定する時のブランチカラーの大切さと、正しい切り方について紹介しました。
剪定は大切な作業ですが、同時に木に負荷をかける行為でもあることを忘れないようにしましょう。